消防用設備又は特殊消防用等点検報告制度について
消防用設備等の点検は、なぜ必要なの?
消防用設備等は、水道や電気などと違って普段は使わないので、設備が古くなって故障しても点検をしてないと見つけられません。もし、火災の時に故障していて使えなかったりすると、大きな被害を招く結果になります。
点検の内容・消防署への報告について説明してください。
消防用設備等の点検は、点検業者に任せっきりにせず、必ず立ち会って、点検内容、設備の状況を自ら把握してください。
◇点検の内容及び期間
【機器点検】
6ヶ月に1回:消防用設備等の適正な配置、損傷等の有無や機能について、簡易な操作により判別できる事項を消
防法に定める技術上の点検基準に従い確認します。
【総合点検】
12ヶ月に1回:消防用設備等を作動させ、又は使用することにより、総合的な機能を点検基準に従い確認します。
◇最新の総合点検結果を消防署へ報告
点検業者は、点検結果の詳細を点検票に記載して、責任者である建物所有者・管理者・占有者へ提出します。しっかり確認してください。防火管理者、立会者の欄がありますので、それぞれ担当の方にも点検結果を確認してもらいます。不良箇所は速やかに修理、。最新の総合点検結果を消防署へ報告します。
●点検結果の報告期間→点検結果の報告期間については↓
特定防火対象物…百貨店、旅館、ホテル、病院、遊技場、飲食店、マーケット等→1年に1回報告
非特定防火対象物…工場・事務所・倉庫・共同住宅・学校・駐車場等→3年に1回報告
※報告書は2部提出し、受付け返却された1部(副本)は維持台帳に綴り事業所で保管してください。
点検結果を防火管理等に活用します。
点検制度はいつできたのですか?
昭和36年消防法施行令の制定により、消防用設備等の規制が全国的に制度化されましたが、その維持管理については明確な基準がありませんでした。こうした中、昭和47年の千日デパート、昭和48年の大洋デパート火災等の大惨事が起きました。
これら災害拡大の原因のひとつとして、消防用設備等の機能不良や管理不適等による使用不能などの自主管理の不備が指摘されました。そして、消防用設備等の保守の徹底を期するため、点検報告制度が法制化され、昭和50年4月1日から施行されました。(消防法第17条の3の3)
消防法第17条の3の3の規定による消防用設備等の点検のうち、消防用設備士及び点検資格者以外の者が点検することで足りるとされる防火対象物の点検は誰がやってもよいのですか?
消防法施行令第36条に掲げる防火対象物以外の防火対象物における消防用設備等の点検については法令上誰が行っても良いこととされていますが、点検内容等については、消防用設備等についてかなりの専門的な知識技能が必要とされるので、点検による機能維持を図る意義からしてもできる限り消防用設備士又は点検資格者に点検させるよう指導することが望ましいでしょう。
消防法令違反に対する違反処理について
建築基準法違反のみが要件となる防火対象物に、使用禁止命令を発することができますか?
消防法第5条の2第1項の要件に該当するならば、命令は可能です。ただし、建築行政庁との連携体制の確立、関係行政機関へ通報等の措置を行い建築行政庁と連携して、違反処理を進めることが適切です。
近年の社会情勢等により、所有者の失踪等から管理がされていない防火対象物においては、例えば不特定の者が自由に出入りして火遊びなどを行っている場合等は、必要な措置命令を発動することができると考えられるが、これらの関係者が所在不明で名あて人が特定できない場合の対応はどのようにすべきでしょうか?
また、これらの防火対象物を破産管財人が管理している場合、消防法第5条の措置命令の発動についてはどのようにすべきでしょうか?
1. 防火対象物の関係者が所在不明で名あて人が特定できない場合であっても、質問事項の火遊びなどを行っている場合(消防法第5条の3第1項に規定する同法第3条第1項第1号該当)のほか、同法第5条の3第1項に規定する同法第3条第1項第2号から第4号に該当する場合(火粉の始末(2号)、危険物の除去(3号)、放置された物件の整理(第4号)等)については、同法第5条の3第2項の措置を行うことができます。
また、関係者が失踪している場合であっても、民法第25条第1項の規定に基づき、財産管理人が選任されている場合等には、この者に対して、消防法第5条第1項、同法第5条の2第1項等の命令を行うことができる場合があります。
なお、民法第30条の規定に基づく失踪宣告後の権利関係にも留意してください。
2. 防火対象物を破産管財人が管理している場合はその処分権は破産管財人に帰属することとなります。このため、自動火災報知設備の未設置のようにその改修に関して躯体の工事を伴う違反の場合は、原則として建物の処分権を有する破産管財人がその名あて人となります。
ただし、破産管財人が管理する防火対象物であってもテナントが賃借権に基づき営業を行っているような場合もあります。このような場合には、破産管財人とその他の関係者のうちの誰が、当該違反に係る管理権原を有しているかを十分考慮して措置命令の検討をしなければなりません。
消防法第5条命令について、次のような場合標識はどこに設置するのが適切でしょうか?
(1)複数のテナントが存する防火対象物について一つのテナントのみに命令を発した場合
(2)複数のテナントが存する防火対象物について複数のテナントに命令を発した場合
(3)防火対象物全体にかかる措置命令を発した場合で、当該防火対象物に出入口が複数存する場合
(1)について、命令を発したテナントの出入口に設置することを原則とします。
なお、必要に応じて防火対象物の出入口に設置しましょう。
(2)について、命令を発したテナントの出入口ごとに設置することを原則とします。
なお、必要に応じて防火対象物の出入口に設置しますが、この場合設置場所等の状況を勘案して標識を一つにまとめる等の手段を考慮しましょう。
(3)について、防火対象物全体にかかる措置命令については主要な出入口に設置します。なお、出入口の使用状況から判断して、一箇所の標識の設置では不十分な場合は、複数設置することができます。